探究型学童保育「ヒトノネ」代表理事 篠田花子 様 北方きた子ども館・北方みなみ子ども館 館長 古田稔幸 |対談|和光会グループ|岐阜

持続可能な社会づくりには、未来を担う子ども達が生涯学び続ける機会を得て、高い技術を習得したり、
働きがいのある職業に就けるスキルを身につけることが大切です。
今回は、岐阜市にある探究型学童保育「ヒトノネ」の篠田花子代表理事をお迎えし、
「北方きた子ども館」と「北方みなみ子ども館」の館長(2021年当時)で、岐阜県児童館連絡協議会理事・相談役の古田稔幸とともに、
子ども達の豊かな放課後について語り合いました。

  • 篠田 花子 様

    探究型学童保育「ヒトノネ」代表理事

  • 古田 稔幸

    北方きた子ども館・北方みなみ子ども館 館長(2021年当時)

医療・福祉事業の継続支援
  • 篠田 花子 様

    探究型学童保育「ヒトノネ」代表理事

  • 古田 稔幸

    北方きた子ども館・北方みなみ子ども館 館長(2021年当時)

いろんな大人の姿を見せて人生の選択肢を増やしたい

古田館長
篠田さんの学童は興味深い活動をしておみえですね。
篠田代表理事
実は長女が年中の時には岐阜市の学童が溢れ始めて
いました。仕事と並行して市民活動レベルで教育についての活動をしていたので「できるかな?」と、学童を始めてしまったのが2018年のことです(笑)。児童館は母親や父親も支援できるのがいいですね。子どもも遊べて、スタッフの方や他のお母さん達と喋ったりして息抜きもできます。「斜めの関係」の人が近くにいるのは大きいです。
古田館長
児童館の大きな柱は「遊びで子どもを育てる」ですが、お母さん同士を繋ぐことにも重点を置いています。お母さん同士で子育てや子どもの発達の話をすれば、いろんな気づきがあるものです。篠田さんは母親が求める形の学童を作りたかったのですか?
篠田代表理事
私達は「探究型の学童」「体験的な学び」を標ぼうしていて、なるべく子どもには本物を見せたいと思っています。いろんな大人の姿を見せたいので、建築士さんや魚屋さん、染物屋さんなどに来ていただいたりして、社会がどのように繋がっていてどんな人が活躍しているのか、自分達の生活は誰に支えられているのか
という「横の繋がり」を学ぶことも大切にしています。人生に決まった道はないのですが、選択肢のストックを増やしてあげたいなと。
古田館長
児童館には色々な特技の持ち主が揃っており、そのスキルを活かし活動しています。加えて、地域の方々の応援を受けています。世代を超えて一緒に活動することはジェンダーの理解の場になっています。また、教員志望の学生には児童館での経験が彼らの自信につながるような、双方WIN×WINの関係ができるよう目指しています。今後の課題はありますか?
篠田代表理事
二つあります。一つは「子どもには第三の居場所が必要」と言われる中で民間学童はやっぱり利用料が高いので、本当に救うべき所に手が届いていないと感じます。子の発達の問題で親がひと時も離れられない家庭への支援など、虐待の芽を摘む機能も果たす必要があります。
古田館長
なるほど。
篠田代表理事
もう一つは自発的に遊びながら考える機会をどう作るか、です。私達も場を用意してしまうのですが、本当は自分達で主体的に学び、育ってほしい。あとは「民間に行ってもいいよ」というお宅があれば公共の学童に少し余裕ができるので、「民間学童」をぜひお知らせいただきたいです。
古田館長
「やりたい」と言わせるように仕掛けるのも我々の仕事かもしれませんね。やりたい気持ちが高まった子は2時間ひたすらサンドペーパーで木を磨いたりします。磨けば形も手触りも変わる。クスノキはいい香りがするのでのめりこみます。そんな風にして子どもを伸ばしてあげたいですね。

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